イズルード海底都市
イズルード海底神殿の下に隠された都市の秘密
彼の名は、ビュート。
太古の建造物と属性の研究を専門とした教授です。
その日も彼は、いつものようにイズルード海底洞窟の奥深くにある、
海底神殿の調査をしていました。
見慣れた入り口、所々崩れた何の変哲も無い通路。
調査を開始してから一年間、ビュートは、
何ひとつ成果を得られていませんでした。
疲れた身体を癒そうと腰を下ろし、
壁に身体を預けて一息ついたビュート。
「今日でちょうど一年目か……」
天井を見つめながら呟いたその時です。
「カチリ」という小さな機械音が神殿内に響き、
その直後、ビュートの背中にあったはずの壁が
鈍い音と共に動き出しました。
支えを失い転げたビュートが目にしたのは、
いまだかつて見たことがない建物の数々でした。
「海底神殿にこんな隠された場所がある話なんて聞いた事がない。
建物の形状から察するに、古代都市の一部に違いない!」
ビュートは、かつてない程興奮していました。
ところが、いざ通路に入ろうと一歩踏み込んだ瞬間
通路の奥から聞いた事も無いモンスターのうめき声が……
この先は未知の世界。
どんな危険が待ち受けているか想像もつきません。
ビュートは、はやる気持ちを抑え、
町に戻って「海底神殿調査団」を結成したのでした。