■ Anniversary Special Story 〜White Snow Bells〜
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青白く光るポリンの容赦ない攻撃により、
妹が死んでしまったと思い込んだ姉のピアリィは思わず悲鳴をあげ、いつになく取り乱してしまいました。
そしてしばらく呆然と立ち尽くし、シィルティーナの名前を呼んでいます。

「ああ……シィルティーナが……」
「お姉さん落ち着いてください!!」

オルトラットは倒れているシィルティーナに駆け寄り、息があることをすぐに確認していました。

「シィルティーナは気絶しているだけだ、しかし……
ポリンに襲われたショックは相当大きかったみたいだな」

シィルティーナを揺り動かしながらオルトラットは声を掛け続けます。
戦いのさなか、異常なくらいといって良いほどのエンジェラスの詠唱がはじまりました。
まるでシィルティーナの目覚めを望むかのように、鐘の音は鳴り続けています。
オルトラットの声と鐘の音がその願いを届けてくれました。

そして……

フェアリーナはゆっくりと目を開きました。

「シィルティーナ!!」

ピアリィがシィルティーナに駆け寄り、ギュッと抱きしめました。
その姿を見届けたオルトラットはニヤッと笑います。

「お姉さん、シィルティーナは任せました。」

そう告げると、オルトラットは青白く光るポリンに向けて走り出しました。

激しい攻防の中……

オルトラットがシールドチャージでポリンを吹き飛ばし、それに合わせて多くの冒険者達の攻撃が、
青白く光るポリンに確かなダメージを与えていきます。
「ポー!!ポポポポーーーッ!!」

見事な連携攻撃でした。みんなの絆が強大な敵に立ち向かう
決定的な力となっていました。

シィルティーナも自分もという気持ちでホーリーライトの詠唱を試みましたが、詠唱は失敗しました。
色々な音が聞こえる中、シィルティーナはその場に立ち尽くしました。
まるでこの世界に居るのに、居ないような、そんな孤独を感じていました。

「どうしてこんなに、私は何もできないのだろう……」

前衛から距離を置いてヒールをかけていたピアリィは、
そんな状況を察してか、立ち尽くしているシィルティーナに近寄り声をかけました。

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