シィルティーナの鞄がモゴモゴと動きました。
そこには最初に闇輝石から召喚されたポリンが入っていて、
鞄からピョンと抜け出て、黒装束の男の下へと一直線に走り出しました。
「ポリーン!!」
そして、黒装束の男の手から落ちた闇輝石を飲み込んでしまいました。
落ちたものを何でも飲み込むポリンは、近くに落ちたアイテムを本能の赴くままに闇輝石を
飲み込んでしまったのです。
「もぎゅもぎゅ………も…………………………………………」
しかしその直後、ポリンの体からブォンブォンという音が聞こえてきて、
音と共に紫色の光がポリンを包み、体が膨らんだり、縮んだりしました。
「ポリーン!!!!」
ポリンの体を突き破らんばかり何かが中でうごめいていました。
その姿はモンスターのようでした。
どうやらポリンの体内でモンスターが今も尚召喚され続けているようです。
「お、お姉ちゃん!ポリンが!ポリンが!」
慌てるシィルティーナの目の前で、ポリンは何度も何度も膨らんだり縮んだりを繰り返し、
召喚されたモンスターを次々に消化していきました。
そして、その驚異的な消化速度が、闇輝石の召喚速度を上回り、
闇輝石そのものも消化してしまったのでした。
すると、ポリンの体から眩い青白い光が吹き出たのです。
「……」
ポリンは落ち着きを取り戻したように見えました。
しかし……
「ポリーンッ!!!!」
なんとポリンは人間に襲いかかったのです。
シィルティーナに召喚されたポリンでさえも、
闇輝石の闇の力ごと吸収しまったため、その深すぎる力に取り込まれてしまったようです。
慌てふためくシィルティーナ。
そして自分を温めてくれた彼女にまで、その牙を剥こうとしました。
それに驚いたシィルティーナはそのまま気を失い倒れてしまいました。
「シィルティーナ!!」
|