| 黒装束の男を追うために、各街を転々とする旅を続けてきた3人は、 とある街へとたどり着きました。
 黒装束の男に関する情報や襲撃された情報を集めて整理しながら、
 宿屋で休んでいるときに、外から多くの悲鳴や叫び声が聞こえてきました。
 ガタンと3人は席から立ち、外へと駆け出しました。
 
 「こ、これは!」
 
 シィルティーナたちの目の前には、ギュワッギュワッと顎を鳴らす盗蟲の群れが、
 平和な街を襲うという光景が広がっていました。
 「うわぁ……気持ちわりぃ」
 
 盗蟲は元々攻撃的なモンスターではないので、大した被害は起きないでしょうが、
 この混乱に乗じれば、盗みくらい難なくできてしまいます。
 そしてこれが黒装束の男の仕業だと3人はすぐにわかりました。
 
 「きっとこれ、あのおじさんの仕業だよ、絶対近くに居るはずだよ!」
 
 3人はうなずき、街の中を駆け回りました。
 そして、ついに黒装束の男を見つけたのです。
 
 しかし……
 
 闇輝石から召喚され続けるモンスターに行く手を阻まれ、黒装束の姿がみえているにも関わらず、
 なかなか捕らえることができません。
 
 黒装束の男も、モンスターを召喚し続けたことで自らの逃げ道さえ無くしてしまい、
 その場から動けなくなってしまったのでした。
 そこにチャンスが生まれました。
 
 「いまだ!いくぜぇ!マグナムブレイク!!」
 動けなくなってうろたえる黒装束の男の隙を突き、
 オルトラットが放ったマグナムブレイクが黒装束の男の周りにいたモンスターを
 巻き込みながらヒットました。
 
 「……ぐぁぁ」
 
 その場に崩れ去る黒装束の男、
 そして紫色の闇輝石が手から転がり黒装束の男はそのまま動かなくなりました。
 持ち主を失った石は黒装束の男からの距離を取るに連れて光は小さくなりました。
 
 その時です。
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