■ Anniversary Special Story 〜White Snow Bells〜
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歩いてきた方向を振り返ると物凄い雪煙をあげながら、
ペコペコに騎乗している騎士達がドドドドドッと走ってきて、
シィルティーナの近くまで来ると、止まれー!!という大きな声と共に、
集団はその場に停止しました。

「おい、そこの娘。怪我をしている怪しい男を見なかったか?」
豪華な鎧を身に着けている男
ペコペコの騎士達の中で一番豪華な鎧を身に着けている男が、険しい表情で話しかけてきました。

「あ、はい……さっき見ました」

「おお、やはりこちらに逃げてきていたか!」

逃げてという言葉に少し戸惑いを感じましたが、そこは押し殺して、さっき起こったことを説明しようとした矢先に、

「礼を言うぞ!皆の者この近辺を探せ!」

そう言い残すとペコペコに乗った騎士達たちは、
ドドドドドッと別の方向へと雪煙をあげながら去って行きました。

「それで……さっき変な石を拾ったのです……ってあれ」

ポーチから拾った紫色の石を取り出し見せようとしたのですが、
あまりにもシィルティーナの反応が遅いため、
騎士達はもうとっくに目の前から消えていました。

「はぁ……本当にダメな子……早く帰ろう」

ふと、手に持っている石をゆっくり見つめて、
石の中に渦巻いている、紫と黒とが入り混じった色に身震いしました。

「良く見るとこの石ってとても不吉な感じがする……怖いな」

ポーチに紫の石をしまうと、再びさっきより少しだけ強い光を放ちました。
ですが、やはりシィルティーナはそれに気づいていません。
シィルティーナはため息を交えながら、ルティエへと歩き出しました。

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