「ふぅ……やっと着いた。お姉ちゃんきっと心配しているだろうな。
もしかしたら怒られるかも……」
そうつぶやきながらトボトボと歩き、丁度自宅に差し掛かった時、
突然持っているポーチが急激に輝きだしました。
その反応に驚いてポーチを開け、ゆっくり石を取り出すと、
1匹のポリンがぬぅっとその中から飛び出してきました。
「わっ!ポリンだ」
ぷよぷよとしたその体を震わせながら、
ポリンは怯えた目でシィルティーナを見つめています。
「うわぁ〜カワイイな。あれ、震えているみたい……
あっ、ひょっとして寒いのかな?
ポリンはルティエなんかにいないし、
この近辺にいるのはマーリンだもんね。」
ゆっくりとポリンに近づきますが逃げずにブルブルと体を震わせていました。
シィルティーナは優しい笑顔を浮かべながら、ポリンをそっと抱き抱えました。
「……どう?少しは暖かいかな?でもどうして、この石からポリンが飛び出してきたのだろう」
シィルティーナは不思議そうな顔で石を見つめました。石には自分の顔がぼんやり映りこんでいたので、
目を近づけてみたり、口を大きくあけてみたりして遊び出しました。
「ポリンが出てきたということは、ひょっとして他のモンスターも出てきたりするのかな?」
「よーし……でも出し方がわからないな。サスカッチは見飽きたし……あっ、そうだ!
お姉ちゃんの嫌いなファミリアーとか!!もし出たら、いや!!とか言って、きっとお姉ちゃんびっくりするね!」
すると、その思いに答えたように再び紫色の石が急激に輝きだし、
ファミリアーがぬぅっとその姿を現したのです。
「ええっ!?ほ、本当に出てきちゃったよ!うわっ!どうしよう!!」
石から飛び出たファミリアーはバッサバッサと飛び立ち、
自宅の裏庭の方へと物凄い勢いで飛んで行きました。
「えっ!?何処行くの?待ってよ!」
シィルティーナは急いでファミリアーを追いかけました。
裏庭の方へと駆け足をしていると、キャー!!という女性の悲鳴が聞こえてきました。 |