「じゃあ行きましょうか」
「あ、お姉ちゃん……あのね」
「言わなくてもわかるわ。勿論私も付いて行くからね」
「でも、それじゃ……」
「何を言っているの。別に貴女を甘やかそうって訳じゃないわ。
私たちは家族なのよ?近くにいないとお互い心細いじゃない……」
そしてスッとピアリィの後ろからオルトラットが顔を出しました。
「勿論俺も行くぜ!シィルティーナたちを守るために、
わざわざパラディンに転職したからさ!」
シィルティーナはそんな二人の優しい言葉に感極まって、
涙が止まりませんでした。
「あっ、そうだ。シィルティーナ……」
シィルティーナは、ピアリィからかわいいリボンで梱包された小さな包みを渡されました。
「開けてみて」
リボンを解いて箱を開けると、中には白銀に輝く小さなロザリオがありました。
ピアリィはやさしく微笑みました。
「私とお揃いの特注品よ」
「お姉ちゃん……」
ピアリィは箱のロザリオをそっと手に取り、シィルティーナの首にかけてあげました。
恥ずかしそうな顔をするシィルティーナを見て、ピアリィは包み込むように抱きしめました。
シィルティーナもそんな姉の体をギュッと抱きしめ返しました。
そしてシィルティーナは思いました。
(いつかきっと、お姉ちゃんのようなプリーストになる)
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