■ Anniversary Special Story 〜White Snow Bells〜
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ふと我に返り……

「そろそろ一人前になって、お姉ちゃんに気を遣わせないようにしないと!」

そう思ったシィルティーナは、姉には内緒で毎日欠かさず修行をしていました。
今日も街の外に出て、サスカッチ相手にホーリーライトの練習をしていたのでした。

「……よし!!いくぞぉ〜……ホーリーライト!!」

そこにはサスカッチに手をかざし、呆然と立ち尽くすシィルティーナの姿があります。
いつもと変わらず静かなルティエフィールドには、
ザッザッとサスカッチが歩く音がかすかに聞こえるだけです。

“詠唱に失敗しました。”

「うぅ……ホーリーライト!ホーリーライト!!……ふぇっ」

何度も何度も詠唱しますが奇跡の力は発動しません。

「うぅ……なんでできないの……ホーリーライトって叫んでいるはずなのに……」

「お姉ちゃんはマグヌスエキュマ?なんとかも使えるのに……」

そんなシィルティーナを馬鹿にするように
サスカッチ
「フゴッフ、フゴフゴ、フゴッフ」

サスカッチもまるで笑っているような声を上げ、
未熟なアコライトの前で鼻をほじる始末。

「うぅ……こいつめぇ!」

シィルティーナはそんなサスカッチの態度が許せず、
地面にあった雪を両手ですくい上げ、
ギュッギュッと丸くしてからサスカッチに投げつけました。
しかし、投げた雪球はサスカッチには当たらず、
見当違いの方向へと飛んでいってしまいました。

「フーゴフゴフゴフゴッ」

サスカッチは大声をあげて、シィルティーナとは反対方向に振り返り、
ゆっくりと雪の霧の中を歩きだしました。

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