冒険者達が皆帰った後……
よし、招待した冒険者の方々の評判は上々だったな!
これで大成功は決まったようなものだ!
ハッハッハッ! 皆、早速明日からオープンできるようにしておけ!
さあ、忙しくなるぞ!
ゆくゆくはリヒタルゼンで一番の男だな! ハッハハハ!
アルビシオは笑顔で部下達にオープンに向けて指示を出していた。 |
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ゴゴゴゴゴゴゴゴ…………
ん? なんの音だ?
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………………
得体の知れない地響き音がどんどん大きくなっているのにアルビシオは気づいた。
「社長! た、たた大変です!」
なんだ!? 騒々しい! この音は一体何だ!?
「や、山崩れです!」

…………………………
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な、何ぃ!? 事前に安全の調査をしてなかったのか!?
「もちろん念入りにしました! 中で建設工事しても山崩れなんて起きるはずない場所を選びました!」
じゃあ何で今山崩れが起きているんだ!?

「アイヤー! 料理は火が命!
と思って使ったマリンスフィアーが爆発しすぎて調理場が完全に吹っ飛んだアルよ!」

何だって!? じゃあお前がこの山崩れの原因か!?
「ちょと前から連鎖爆発がとまらなかったアルよ!」
お前が火力は強い方が最高の料理が作れると言うから許可したんだぞ!?
「アイヤ、料理だけじゃなくて山も爆裂させちゃたアルよ! 面目ないアル!」

「社長! 早く避難して下さい!」
うぐぐ……! こんな事で私は負けないぞ! 必ず再起してみせる!
「カッコつけてないで急いで避難して下さい!!」
アルビシオは半ばヤケになったかのように叫びながら部下に引きずられて
施設を後にしたのだった。
……かくして山崩れに飲み込まれた山中のアミューズメントコロシアムは、
プレオープンに参加した人のみぞ知る、秘密のアミューズメントコロシアムに
なってしまいました。
…………続く? |