早速、アルベルタに住むという彼の家を訪ねると、
そこにはコック帽子を被った青年がいました。
「こんにちは〜。マトルチェの紹介で来た者ですが、
クーベルさん……ですか?」
「む……むむむ……むっ……!
あっ! 君がマトルチェの友人のルカライ?
僕がクーベルだよ!」
コック帽子の青年はルカライに軽く挨拶しました。
「クーベルさん!いきなりですが、僕が作るチョコレートには
何かが欠けているんです!
何が足りないのか教えて下さい! よろしくお願いします!」
突然の申し出にクーベルは少し困った顔をして、
ルカライを制止しました。
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「まぁまぁ、少し落ち着こうよ。立ち話もなんだから少し奥の部屋で話そうか」
クーベルはルカライを部屋に招き入れると、可愛いクマの形のクッキーと
温かい紅茶を淹れて彼をもてなします。
一息ついたところで、ルカライはここに来た経緯と事情をクーベルに説明しました。
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「なるほどね、ふむ……」
クーベルはルカライの話に頷きながらこう答えました。 |
「君の気持ちはよくわかった! 足りないのは、オリジナリティさ。
平凡なものを作るだけでは、君の気持ちが満足していないんだよ。
よほど、大切なことのためにチョコレートを作りたいんだね!
なんだか君を見ていると昔の自分を見ているみたいだ……。
よし、じゃあ協力してあげるよ!
オリジナリティを出すにはやっぱり、特別なトッピングが必要なんだ」
「特別なトッピング……」
クーベルの一言にルカライは悩み始めました。

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