ソグラト砂漠には霧のように現れ霧のように消えていく、まるで蜃気楼の様な塔があるという。 そして好奇心で塔を調べようと、内部へ入った者は誰一人として戻ることはない…… 嘘か真か解らないが、冒険者にささやかれる噂。
シュバルツバルド共和国の首都、賢者の都市ジュノー。 ここジュノーの中心部に眠る膨大な古文書の中にも、今はもう使われていない古い文字で、 塔に関する伝承が残っていた。
文献より読み解かれた情報は学者達に波紋を呼び、 その謎めいた存在に興味を惹かれた学者達は、こぞって塔があると思われる場所の調査を開始した。 すると、知の象徴とよばれる塔の意志なのか、運命のいたずらなのか、 古文書に記されたとおりの、蜃気楼のようにゆらゆらと揺れる塔がソグラト砂漠に現れたのだ。 今こそ塔に入れる時期と確信をもった学者達は調査団を結成し、この『蜃気楼の塔』の調査に乗り出した。