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冒険者アカデミー

モンスターサイドストーリーズ

全話クリアでアイテムがもらえる!

第四話続き

『グッバイ・マイ・ドール』−エピローグ−

ボロボロになってアルベルタに漂着していたマリオネットに冒険者が触れると、彼女はゆっくりと目を開きました。
『人間は信用出来ない』と恨みの篭った瞳で冒険者を見つめるマリオネットでしたが、冒険者は何か不思議な感覚を覚え、彼女を修理してあげようと思いました。

人形に詳しい人物を探すうちに人形技師のお爺さん『ドロッセル』に出会い、彼のおかげでマリオネットのことがわかりはじめました。彼女の名前はアバンダ。稀にいるという、以前他の人形に宿っていた魂が人間に対して怒りや悲しみの感情を持ったときに、マリオネットの体に『魂が囚われた』状態の特殊なモンスターのようです。

冒険者は話を聞くうちに、『もしかすると自分が幼い頃に触れていて、今は忘れてしまった人形こそがアバンダなのではないか』と考えました。
事実はわからずとも、冒険者は彼女を救ってあげたいと強く思い、情報を頼りに数々の苦難を乗り越え、アバンダの修理に成功しました。

修理が終わり、記憶が戻り始めたアバンダは、自らの記憶と現在の境遇に悩みました。そして、一度は人間を恨みマリオネットになったとはいえ、以前の記憶と自我を取り戻した今、マリオネットとして人間を襲う生活には耐えられないと訴えました。

彼女は、人間を嫌う自分のために冒険者が頑張ってくれた姿に心打たれ、人間を信頼し、再びただの人形として人間と幸せに暮らしたいと願うようになったのです。

その願いを叶えるには、彼女を縛り、粛清しようとしていたマリオネットの長、マリオネットキラーを倒さねばなりません。 アバンダだけでは到底かなう相手ではありませんでしたが、ドロッセルの手で強化したアバンダの渾身の攻撃で、マリオネットキラーは倒れました。

一度マリオネットになり、再び解放された魂は、どこかにある人形に転生します。その人形が誰の手にあるのか、次は幸せになれるのか、わかりません。 しかし、アバンダは新しい生活が楽しみだと言います。人間も、人形も、モンスターも、お互いを信頼出来ることがわかった……ただそれだけで、十分だったのです。

アバンダの魂はマリオネットの体から旅立っていきました。
『……また、会えるといいね』
ただその一言を、誰のものともわからぬ涙と共に残して。

「信頼」

アバンダは、信頼しあうことの大切さを思い出した。
例え一時のすれ違いがあっても、相手を最後まで信頼することが お互いの関係を保つ鍵なのかもしれない。

第五話へ

ご好評につき、モンスターサイドストーリーズが永久実装となりました!

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