第三話続き
冒険者から強くなる秘訣を学び、めきめきと強くなるマイルスは
やがて、ジョゼフを圧倒するほどに強くなりました。
しかし、ジョゼフとの決闘で自分の弱点を痛感することになった
マイルスは弱点を克服するために更に血のにじむ特訓を続けたのでした。
そして、マイルスはついに半漁人との真剣勝負の日を迎えることになりました。
二人の勝負は初めこそ拮抗していましたが、
徐々にマイルスの動きが半漁人を圧倒し始めました。
マイルスが勝利への確かな手ごたえを感じているとき、思いもよらぬ出来事が起こりました。
半漁人のヒューゴは卑怯にも、マイルスの友達を人質にとったのです。
大切な友達が人質に取られ手も足も出ないマイルスを嘲笑うように
ヒューゴはマイルスをいたぶりはじめます。
そして、ヒューゴが勝負を決しようと自慢の槍を大きく振りかぶった次の瞬間……。
なんと、マイルスの努力に心を打たれたライバルのジョゼフが助太刀に現れたのです。
ジョゼフは必殺技でヒューゴの目をくらませ、人質となっていたマイルスの友達を助け出しました。
これで心おきなく全力を出して戦うことが出来るようになったマイルスですが、 すでに度重なる半漁人の攻撃により、満身創痍で立っているのがやっとでした。
そこでマイルスは最後の一撃に全てをかけることにしたのでした。
張り詰めた空気の中、互いに様子を伺います。 次の瞬間、二人は同時に動きました。 激しい轟音と共に砂埃が辺りに舞います。
もうもうと立ち込める砂埃が晴れた後に姿を見せたのは…… なんと、マイルスでした。 ヒューゴの体に、全身の力を振り絞りしぼった、マイルスの稲妻のような一撃が直撃したのです。 今までの努力が実り、 彼はついに半漁人から念願の勝利をもぎ取ったのでした。
マイルスは勝利の余韻を感じながら今までのことを振り返りました。
いままで何度あきらめかけ、くじけそうになったことか……
しかし、そのたびに努力し、乗り越え、ようやく夢をかなえることが出来たのです。
これから先、マイルスはどんな困難にぶちあたってもこの経験を決して忘れず、最後まであきらめることはきっと無いでしょう。
なぜならマイルスは夢を叶える喜びを知ってしまったのですから……。
「信念」
強くなりたいと思う心がバドンを育て、強くなりたいと願う心が奇跡を起した。信念とは……奇跡を手繰り寄せる為の切符なのかもしれない。