ミッドガルド大陸に、ハロウィンの季節が近づいてきました。
プロンテラの街の一角にあるケーキ屋の、その奥の厨房では
店主のスクウォッシュが注文されたケーキを作るべく動き回っていました。
スクウォッシュが得意なのは、カボチャケーキ。
さらに今年は特製のものを作ろうと張り切っていたのです。
「よーし、材料は全部ある。それじゃあ、作り……おや?」
厨房の勝手口が開き、そこから小さな黒い影が入ってきました。
「き、君たち、こっちはお店じゃないよ」
1つ、2つ、3つ……
勝手に入ってきた黒い影はスクウォッシュを包囲すると、
手早く彼を担ぎ上げ、駆けだしたのです!
「うわああああああ!!!!」
一本の街道上に、誘拐されたパティシエの悲鳴だけが残されました。