義勇軍広報官レポート番号 重要!
2003年11月28日(金)
最終決戦〜明かされる黒幕の正体〜
賢者の都市ジュノーにモンスターの大群が向かっていると報告が入った。
今までの徐々に南下していたモンスター侵攻ルートとは
明らかに異質なジュノーへの襲撃に黒幕が関わっていると踏んだヴェルクは
急ぎシュバルツバルド共和国の国境都市アルデバランに向かった。
この先に黒幕がいる!
アルデバランで勇士を募り、いざ進軍しようとしたその時、
ヴェルクは何故かためらった…。

「ここはシュバルツバルド共和国…」
「友好国とはいえ、武装を解かずこれ以上先に進めば、
外交に支障をきたす可能性がある…!」
「しかし…、しかし…!!この先に敵の黒幕がいるのだ…!
皆…私は一体どうしたらいいのだ…?」

その時、集まった勇士達は「もちろん行こう!」「隊長行きましょう!」と
それぞれの言葉で苦悩するヴェルクの背中を押した。
ヴェルクは勇士達の言葉で決心がついたのか、顔を上げると
「…すべての責任は私がとる!皆私に力を貸してくれ!!」
とはっきりした声で皆で告げた。
義勇軍勇士達はヴェルクの決意に同じく声を上げ応え、
モンスターを追い、アルデバランを出発した。

ヴェルクは敵に気付かれぬように、しかもモンスター達より早く
ジュノーへ向かい、迎撃しようと兵を進めた。
そして、ジュノーまで後少しのところまで辿り着いた時、
予想より早く敵の斥候部隊が到着し、態勢が整わぬまま戦闘開始となった。
モンスター群は斥候部隊とはいえ、かなりの数であり
戦いは一進一退という状況だった。

そんな中、義勇軍は粘り強く戦い続けた。
徐々に優勢となり、やがて敵は力つきたのか攻撃を止め、退却していった。
義勇軍は敵の斥候部隊を追いかけたものの途中で見失い、
行方が分からなくなってしまった。

「敵はどこだ…」
隊長の顔にも焦りが見える。
消えた斥候部隊を探すが、発見する事ができない義勇軍に向けて
何者かが語りかけてきた。
それは、今までのモンスターの言葉とは違い、
雄たけびでも怒号でもなく、静かに問い掛けてきた。
「人間は何故知恵を…力を求めるのか…」
「古代遺跡を発掘し、モンスター研究を行い
そしてユミルの心臓の力までも手に入れようとしている…」
「何故身分不相応な力を手に入れたがるのか…」

「力を求め、そして手に入れた人間はいずれ異質なものを
完全に排除しようと我々に牙を剥くのは必至。」
「ならばその前に滅ぼすべきなのだ…」
彼は人間達を恨むモンスターの心を巧みにそそのかし、人間達を襲わせた。
すべては一つの計画だったと、声の主は言った。
その名は…タートルジェネラル。

かくして義勇軍隊長ヴェルクは今回のモンスター襲撃の黒幕、
タートルジェネラルと対峙し決戦を迎えた!
…死闘は長く続いた…あるいは、それほど時間は経っていなかったのかもしれない…
だが、あまりにすさまじい戦闘に時間の感覚は麻痺してしまったのだろう。
大勢の勇士達が、咆哮を上げながら荒れ狂うタートルジェネラルへと
剣を抜いて殺到していった。

タートルジェネラルの刃により幾人もの勇士が倒れていったが、
皆これが最後の戦いと自らに言い聞かせ、何度も何度も立ち上がり戦い続けた…。
そして…ついに決着がついた。
タートルジェネラルの巨大な体がゆっくりと地に倒れ、
大地を揺るがす大きな音があたり一面に響き渡った…。
彼は残る力を振り絞り最後にこう言い残した。
「知識を求めるのもいいだろう…しかしお前達はいつか必ず力に溺れる…」
「我らが手を下さずとも、いずれ自らを滅ぼす事になるのだ…覚えておくがいい。」と…。

首謀者を倒し最後の戦いに終止符が打たれ、街への侵攻の心配もなくなった。
だが、私はどうしても彼の言葉を忘れることが出来ない…。
いずれ自らを滅ぼす…
もしかしたら一番危険で一番恐ろしい敵は弱い心を持った人間自身なのかもしれない…。
▼義勇軍隊長ヴェルクより一言
義勇軍隊長ヴェルク
ついに…終わった…。長き討伐も終わりとなった。
タートルジェネラルはやみくもに力を求める
私達人間の愚かさを止めたかったのだろうか…。
だが、力を求める事は悪い事ではない。
力がなくては大切なものを守れないからだ。
今回、戦った勇士達には守るものがあり、
そして強い心を持っていたからこそ
戦い続けることがことができたのだと思う。
己の力を大切なものを守るために使うことができる限り、
人間は自らを滅ぼすような過ちは犯さないと、私は信じている。

私の仕事もひとまずこれで終わりだ。肩の荷が降りた。
今日の戦いで倒れたものも傷ついたものもいるだろう。
皆よく戦ってくれた!
最後まで私についてきてくれた者達よ…感謝する!
またいずれ会おう!
義勇軍隊長ヴェルク

▼義勇軍隊長ラティより一言
義勇軍隊長ラティ
まさかタートルジェネラルが黒幕とは思いもよらなかった。
ジュノーには多くの知識が集まり、多くの力を求める者達が集う。
モンスター研究所も…古代遺跡も…そしてユミルの心臓も…。
タートルジェネラルはジュノーの街を滅ぼそうとしたのではないだろうか。
あるいはヴェルクの言うように…強大すぎる力を手に入れようとした
私達人間の暴走を止めようと思ったのだろうか…。

私達は過去の歴史から先人の犯した過ちを学ぶことができる。
過去の「歴史」と現在の「知識」から学び、
弛まぬ努力を続ける限り、人間は同じ過ちを繰り返すことはないはずだ。
得た力を正しいことに使うため、私も己の心と常に戦い
その弱い心に勝利していきたい!

…何はともあれ、長き討伐も終わった。皆安心して生活ができるだろう。
義勇軍勇士達よ本当にご苦労だった。今は…ゆっくり休んでくれ。
また会える日が…共に戦う日が来るだろう。
その日まで皆、壮健あれ!
義勇軍隊長ラティ

▼討伐遠征の様子 (クリックすると拡大してご覧いただけます)
写真01
友好国であるシュバルツバルド共和国の領地に独断で進軍する事にためらう隊長ヴェルク。
写真02
斥候部隊のすさまじい攻撃に倒れてしまった義勇軍。
写真03
今回の黒幕であるタートルジェネラルに決戦を挑む義勇軍勇士達。
写真04
全てが終わった後の義勇軍勇士達の様子。皆の顔には安堵の表情が浮かんでいた。
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