大金を稼ぐという野望を抱き、航海を続けていた肉球商団の船「ナビ号」は、故郷を出発してから26日も過ぎようとしていたある日、激しい嵐に見舞われてしまいました。
荒れる海、揺れる船、吹き飛ばされまいと必死で甲板に爪をたてる船員の猫たち。
あまりの激しさに、船は舵すらとれません。
為す術のない猫たちは、とにかく嵐が静まることだけを願い、祈りました。
そのとき……
ドカーン!
突然、船はまぶしい閃光と共に現れた裂け目に吸い込まれ、大きな島の中心に、空から落ちるように漂着しました。
岩礁にぶつかった衝撃で、気を失う猫たち……。
……猫たちが目を覚ましたときに見たのは、先ほどの嵐なんてまるでなかったかのような、澄んだ青空でした。
穏やかな太陽の光が、猫たちを照らしていました。
幸いケガをしたり、いなくなった船員はいませんでした。
けれど、「ナビ号」は大破してしまい、積んでいた荷物も、そのほとんどが海に流されてしまっていました。
しかし、移動手段がなくなってしまった猫たちはめげることなく、流れ着いたその孤島に家を建て、畑を耕して元気に暮らし始めたのです。
その孤島を「マラン島」と名付けて……。