過去二度にわたり、「次元の狭間」に呑みこまれたはずのミッドガルドの大地が
人々の前に出現したことがあった。
当時、出現した大地の調査と原因解明を命じられたミッドガルド連合軍の調査団は
積極的に人員を派遣したが、それに見合う結果を得られずに終わってしまった。
その時のくやしさと焦りを抱え、調査団長は一人、大地が消滅した場所へと足を運んでいる。
しかし、その行為は他にも仕事を抱える者として褒められたものではなく、
調査団長は上層部より再三注意を受けていた。
「最後に目撃されてから、一年半。
今日も大地が消えたままだったら、もうここへ来るのはやめよう……」
そう思いつつ、馴染みとなった光景が広がるその場所へ向かったはずの調査団長が、
慌てふためいた様子でミッドガルド連合軍へと駆けこんできた。
「ぼ、冒険者にすぐ知らせろ!
今度こそあの大地の謎を解明するのだ――!!」