■ Anniversary Special Story 〜White Snow Bells〜
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【第一話】
ピアリィとシィルティーナ
ここは一年中雪が降り積もる街ルティエ。

この街に聖職者の姉妹が住んでいました。

才能と知恵にたけ、誰からも尊敬を受ける姉。
『ピアリィ・エアハルト』

奇跡を起こす才能が皆無。
得意なことは雪道で転ぶこと。
『シィルティーナ・エアハルト』

二人は街中でも噂になる程の仲の良い姉妹です。
ですが、別の意味でも二人はとても有名な姉妹なのでした。

姉は才色兼備で様々な力を使いこなし、プリーストとしては一目置かれる存在です。
それとは対照的に、妹のシィルティーナはどんなに祈ろうとも奇跡の力が具現化しません。
雪道ではすぐ転ぶといった、まさにドジで有名な子でした。

ドサッ!!

「あいたた……いたいよぉ……」

シィルティーナは思い切り何もないところで転んでしまいました。

涙目になりながらも立ち上がり、のんきに歩いているサスカッチの方へと近づいて行きます。

歩きながらシィルティーナはほんの少しだけ、昔の話を思い出しました。

妹のシィルティーナは悩んでいました。
いつも転んだ時に自分へヒールを詠唱しようとしても、
物凄い詠唱速度で姉が妹へヒールをかけてしまいます。
そんな姉はいつも、

「シィルティーナ大丈夫?手繋いで歩こうか?」

そんな風に妹を気遣っています。
そんな状況が幼い頃から続いています。

妹のシィルティーナは姉に感謝していました。
しかし同時に、
『私は姉の足を引っ張っているだけなのではないか』と、『本当は姉も私以外の友達と遊んだりしたいのに、
私がドジなばっかりに心配で連れ添ってくれているのではないか』と、いつも不安に思っていました。

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