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いまでこそ首都プロンテラ界隈では新鮮な野菜が豊富に収穫され、
豊かな生活が営まれていますが、天候の不順により、数年の長きに
わたり不作が続き、ルーン・ミッドガッツ王国を苦しめたことがありました。
その時、カピトーリナ修道院のかぼちゃが王国の人々を
救ったという伝承が存在しています。
今回は、「魔法のかぼちゃ」というお話をご紹介しましょう。
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その昔、長年の不作が続き人々が飢えに苦しんでいたとき
修道士達は神に救いを求め、敬虔な祈りを捧げ続けました。
そんなある時、当時のカピトーリナ修道院の院長は不思議な夢をみました。
夢の中で修道院長は雄雄しき姿の力の神とその従者の道化師にであったのです。
修道院長は王国の苦しみを語り、何とか力を貸してもらえないかと
神に懇願しました。「神はきっと天使を遣わし、我々を助けてくださるだろう。」
そう考えた修道院長の期待とはうらはらに力の神は冷たく言い放ちました。
「人間は自らの勇気と知恵を放棄し、神に祈ることしか考えなくなったのか。」
すると道化師は修道院長を指差しながらケラケラと笑いました。
「だって神様。この人たちは神様に祈る聖堂の掃除が忙しいんですよ。」
修道院長は驚きながらも冷静に答えました。
「ならば私達をお試しください。私達の努力をお見せいたします。」
すると力の神は威厳のある声を響かせ修道院長に神託を与えました。
「ならば、古代魔法都市の遺跡にて待とう。お前達の力でたどり着いてみせよ。」
翌朝、修道院長は数人の弟子達と共に失われたゲフェニアの奥地に向って
旅に出ました。数々の冒険を越えついにその地にたどり着いた時、そこには
なんと夢の中にいた道化師が笑いながら待っていました。
「頑張ったね。じゃあこの魔法のかぼちゃの種を上げるよ。育ててごらん。
でも贅沢な食べ物ばかり食べていたり、神様に頼ってばかりいたりすると、
この種からはかぼちゃが取れなくなるからね〜。ベロベロベ〜。」
道化師はそういい残すと、天使に姿を変え消えていきました。
カピトーリナに戻った修道院長は、弟子達に命じ一番立派な聖堂を取り壊させて、
その跡地に畑をつくりました。そこにかぼちゃの種を植えてみると、みるみる種は
成長し、立派なかぼちゃをいくつも実らせました。
修道士達は、次々と育つかぼちゃを近隣の都市に配って歩き、
王国の食料難を救ったというお話です。
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カピトーリナの修道士たちは毎年、おごそかにかぼちゃ祭りを実施しています。
土地が痩せているせいなのか、かぼちゃは数年に1度しか豊作にならないそうです。
もし伝承の通りなのであれば、人々が贅沢をしすぎてしまっているせいなのかもしれませんね。
また、カピトーリナ修道院がモンクの発祥の地であることも、自らを研鑽し、
苦難に対処しようとする修道士を描いたこのエピソードに関連があるといわれています。
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