年の瀬迫る中、各都市の商人組合は今年一年を振り返り、来年の景気について話し合っていた。
そんな中ふとしたことから、どの街が首都プロンテラに次いで冒険者に愛されているかを
主張しはじめたのだ。
「モロク」の商人は、モロクは砂漠の中のオアシスであり、様々な遺跡冒険へのベースキャンプとして
利用されている事、また西方への旅の際には必ず立ち寄られる貴重な中継地であることを主張した。
「フェイヨン」の商人は、なにより弓手の道具をそろえることができるのはフェイヨンだけであり、
迷いの森を抜けるにはフェイヨンは重要な拠点であることを述べた。
「イズルード」の商人は、首都プロンテラの衛星都市として重宝されているほか、
プロンテラ騎士団の卵を養成する剣士ギルドが存在していること、航路も確保していることなどを自慢した。
「アルベルタ」の商人は、港の都市として多くの都市と交易を行っていること、
そして商人組合を擁していることが冒険者に愛されていることの証であると宣言した。
「ゲフェン」の商人は、魔法具が手に入るのはゲフェンのみであり、
グラストヘイム探索にはなくてはならない都市であること、
そして商人の上位職業であるブラックスミスのギルドが存在していることなどをアピールした。
どの街の組合も自分の街が冒険者達に愛されているのだと譲らず、
互いに主張を繰り返すうち商人組合の中でも最もお祭り好きな「モルゴン」より一つの提案があがった。
「それでは、直接冒険者達に決めてもらってはどうだろうか?」と。
各都市を愛し、応援してくれる冒険者達に代表となってもらい、雌雄を決してもらうことにすれば良い。
この意見に反対する者はいなかった。
武道大会が開催されれば、より多くの人々がこの五つの都市に集まり、
街がさらに活性化することが期待できるからである。
商人組合内での意見は一致し、ついに武道大会が開かれることになった。
その名も……商人組合主催、「都市対抗武道大会」!
その後、開催にあたり調整を行った結果、
「モロク」「フェイヨン」「イズルード」「アルベルタ」の四つの都市で共催することになる。
ゲフェンに関しては遺跡にて新たな発見があったため、都市全体で調査を行っており
残念ながら大会に協力できないとのことだった。
なお、大会優勝都市への褒賞は商人組合全体でカプラサービスに依頼し、
該当の街で「期間限定の特別転送サービス」を行ってもらうことなった。
それ以外にも、この時期だからこそ可能な特別褒賞も用意してあることが発表されたのである。
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